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Channel: 花の四日市スワマエ商店街
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「生まれてはみたけれど」感想 2

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某さんの感想です。
「子供を通して、大人の世界を笑わせようとしているが、笑えない。なんとも苦々しい映画である。昭和7年に作られた映画とは思えない。現代にも充分な存在感のある、見ごたえのある映画でした。」
 映画を観た人を笑わせながら「こりゃ 笑えない」としんみり考えさせられるあたりの、入り混じった感情を起こさせる作品でした。さすが小津監督と脱帽せざるを得ませんでしたね。
     
Sさんの感想
「無声映画をカバーして余りある作品でした。特に育ち盛りの男の子の心理描写が素晴らしかった」
 古いサイレント映画で、皆さん、どのように観ていただけるか不安もありましたが、最後まで熱心に鑑賞していただけました。私が子供のころ(昭和30年代)までは、所謂“ガキ大将”なるものが存在していて、悪さをするが憎めない子供が多く居たように思います。最近は、破天荒な“ガキ大将”が少なくなってしまったように感じます。
     
Mさんからは
「ありがとうございました。やはり私もガキの頃を思い出しますと、自分の父は偉い人であってほしいと思っていました。子供からの残念な思いの心理描写がよく出ていました。始めて観た作品で、もう一度観たい気がします。やはり当時(私は生まれていません)は、東京でもあのような田舎の原っぱがあったのかと改めて感じました。ありがとうございました」
 当時は家庭での父権が健在で、父親は偉くなければならないという教育がなされていたのでしょう。目上の人は敬うもの。下の者は思いやるもの。そういった階級制度の良否は判断できません。ただ、父親は偉くあって欲しいという子ども心は大切だと思います。一両編成の列車が、頻繁に行き来していましたが、山手線ではないかと想像します。この作品は二年がかりで撮られたそうで、原っぱの草が枯れてしまっていたりしていて苦労したと小津監督は書いてみえます。
     
 映画鑑賞後、数日経っても「生まれてはみたけれど」の生き生きした世界が思い起こされます。子供の目線から描かれた作品だからこそ、躍動感溢れる映画に仕上がったのでしょう。すばらしい!の一言です。

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