いたわり合い、助け合って生きていこうという木下映画の考え方を、今こそ我々はもっと大事にしなくてはならないと思います。
木下さんの映画をみんなが涙を流して見るような世の中であってほしいと心から願います。 山田洋次(映画監督)
“二十四の瞳“は、キネマ旬報第1位。2位は木下恵介監督“女の園”、3位は黒澤明監督の“七人の侍”でした。“ゴジラ”が製作されたのもこの年です。
この映画は昭和24年に製作されました。木下恵介監督はじめスタッフの皆さんは、小豆島に1年かけてここの美しい自然の撮影に取り組みました。
物語は昭和3年に始まります。昭和不況の貧困はこの島にも襲いかかり、やがて太平洋戦争に突入し、男子生徒は出征して行きます。12人のうち男子生徒は5人。その中の3人は戦死します。
冒頭、着任間もない大石先生(高峰秀子)は、12人の1年生を前に点呼を取ります。一人一人あだ名を確認しながら、愛情をこめて名前を呼ぶのです。
挿入歌
仰げば尊し・アニーローリー・村の鍛冶屋・故郷・七つの子・春の小川・荒城の月・浜辺の歌・朧月夜・里の秋・せいくらべ・冬の星座・埴生の宿・庭の千草・蛍の光・・・・・・なかでも仰げば尊し・アニーローリー・七つの子は効果的に使われています。