さて、第2位は“三宅邦子のお尻 2016.1.31 でございます。
小津安二郎監督が“麦秋”を発表したのは昭和26年。2年後には“東京物語”を製作しています。私は、“麦秋”が小津監督の“輪廻”と“無常観”を確立した最初の作品だと思っています。作品は、鎌倉の初夏の波のきらめきから始まります。
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Clik here to view.初夏の波の輝きが見事、犬が通り過ぎます
オルゴールの音楽が流れる中、老父の菅井一郎がうぐいすの餌やりに余念がありません。ここには、平和で穏やかないつもの日常があります。
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Clik here to view.鳥のさえずりとオルゴールの音楽
家族はあわただしく朝食をとり学校へ、会社へと出かけます。そして、家族にちいさな変化が訪れます。奈良から曽祖父が遊びに来て菅井一郎夫婦に奈良へ来るようお誘いがかかります。長女の原節子も嫁に出さなければならない時期です。
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Clik here to view.「今が一番いい時かもしれないねぇ」
菅井一郎は、出かけ先でひと休みしながら「今が一番いい時かもしれないねぇ」と妻の東山千栄子に語り掛けます。「紀子も嫁に行ってしまうだろうし。やがて家族はバラバラになる」
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散歩の出先でも菅井一郎は、踏切横で腰を掛け、ため息をつきます。人生の終焉と家族の離散。そうしなければ次の世代が生まれ成長していくことがないのです。
いよいよ紀子に嫁ぎ先が決まった時、これで良いのかと嫁と母親は話します。そのシーンが“三宅邦子のお尻”になるのですが、もう一つ、改めて“麦秋”を鑑賞し直して発見しました。
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Clik here to view.最後に家族は記念撮影をします 老父母を中心に 長男夫婦と長女(紀子)そして子供たち
それは、原節子(紀子)のノーブラのシーンです。小津監督は、原節子にノーブラであることを要求したに違いないのです。つづく ホンマか!