映画“黄金のアデーレ”(2015年制作)を観る。老境に入れば入るほど“家族への思い入れ”の大切さをヒシと感じさせる作品である。
ナチに追われたユダヤ人女性が、画家クリムトの叔母をモデルにして描いた「黄金のアデーレ」を取り戻すお話しであります。
オーストリアに住むユダヤ人富豪 バウワー家の階下にナチスの手が及ぶ。老境の身であるバウワーは、姪のマリアをアメリカに亡命させ、自分はその場にとどまることとなった。
「ひとつだけ忘れないでくれ、マリア。私らのことを。うちの一家族がこのウィーンに来た時、うちは貧しかった。
懸命に働き、この国の人間になれるよう労を惜しまなかった。その努力と成果と、子供たちが我々の誇りだ。誰も奪えない誇りだ」
そして老人と娘、亡命する姪の三人は、強く抱きしめ合います。家族の絆を感じる一瞬でした。