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山中貞雄監督と丹下左膳余話

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映画鑑賞会の再開です。今回は、昭和という時代を懐かしみながら、監督と時代背景を探る映画会にするつもりです。初めに、マキノ雅弘監督「続 丹下左膳」の鬼気迫る左膳の部分を観てから、山中監督の左膳と比較していただきました。若くして中国で戦病死した天才監督のプロフィールも紹介しましたので、作品に興味を持っていただけたと思います。

80年以上前の映画であることにびっくりします。大河内傅次郎左膳は飛び、走り実に軽々と動きます。また、矢場の女将“喜代三”との掛け合いが面白く、「子供は嫌いだよ」と言い合った次のシーンでは、ちゃっかりご飯を食べさせています。意地を張り合いながら実は根っからの子煩悩ぶりがほのぼのとしていました。音声が聞き取りにくかったのですが、喜代三の歌声には聞きほれました。そして、高勢實乗(たかせみのる)の珍優ぶりも楽しめました。

左 高勢實乗

やくざとにらみ合う左膳

真ん中にちょび安 その左に駆けつける左膳

戦後、GHQ?によって、チャンバラシーンがカットされたと聞きました。なるほど最後のシーン、ちょび安の敵を討つため、やくざ者と対峙した左膳。ところが、場面は飛んで、ちょび安がこけ猿の壺を1両で売ろうとするところへ、止めに来る左膳の場面になっています。つまり、やくざと左膳の切合いが抜けているのです。“カタキウチ キンシ!”とはアコギナGHQ?様でした。


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