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市井からの眺め91関西鉄道㉑

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明治39年1月、明治政府は私鉄を買い上げ国有化する条例案を出す。これに対し当時の関西鉄道社長 片岡直温は、当時の関西鉄道時報に「非鉄道国有論」として投稿している。

「鉄道国有化の可否は、主義の問題よりもむしろ事実の問題である。私は、主義としては鉄道国有に異論なし。只、事実上、現下の鉄道国有説は国家の一度定めたる買収期限、即ち鉄道免許状下付の日より25年後においてはじめて政府に買い上げ権を保有すべしとする。買収権の未だ到達せざるにも、国家万能主義のもとに臣民の私権を犠牲にして鉄道買収を断行せよとするのは適当の時期にあらず。時期において異議を挿むべき理由の大なる者で、断固として国有説に反対する。

我が国の公債は、日露戦争の戦局に際しては15億の募債をなし、そのうち国内向け国債応募額は4億8千万円に達しているが、内、1億4〜5千万は外人の手にあるだけでなく、その他の公債の総てが外国にあるが、幸い悪い影響なく来ている。現在、2億円の公債を募集しつつ、更に鉄道国営化のための公債を5億円発行することは、公債の下落を招く危険がある」

ここまで訳してきたが、わたくしの力量不足で続きは次回にしたい。しかし、なにもここまで回りくどく書くこともないのにと思う。国は、公債で全国の私鉄を買い取ろうとしているが、国債暴落の危機をおっしゃってみえるのだろう。いくらお金を積まれても、関西鉄道にも培われてきた意地というものがあろうに。

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