あけましておめでとうございます
澄遇邁駅の通潮閣(ちょうまいえきのつうちょうかく)
蘇軾(そしょく)
余生老いんと欲す 海南の村
帝は巫陽(ふよう)を遣わして我が魂を招かしむ
杳杳(ようよう)として天低(てんたれ) 鶻(はやぶさ)の没する処
青山一髪(せいざんいっぱつ) 是れ中原(ちゅうげん)
のこり少ない余生を、この海南島の僻村で過ごし、老いてゆこうと思っていたのだが、天命が古代のみこ、巫陽(ふよう)に命じて、私の魂を呼び戻してくださった。はるかに遠く、天空が水平線のかなたにたれこめ、鶻(はやぶさ)の姿が消え去ってゆくあたり、ひとすじの髪の毛のように、細く連なる山なみがみえるが、あれこそが、これから帰りゆく中国の本土なのだ。