朝ドラの“おちよはん”は、浪花千栄子をモデルとしている。昭和33年公開の松竹映画、小津安二郎監督の“彼岸花”を思い出す。“彼岸花”は、当組合で2016年8月19日上映会を行った。封切りは弥生館だったか?多分観に出かけてはいない。
平山(佐分利信)の家へ佐々木初(浪花千栄子)が訪れる。派出婦の富沢(長岡輝子)がお茶を出す。初は「つまらんもんですけど」と手土産を手渡す。
「ありがとうございます」と受け取る富沢。「あんたにとちがいまっせ」と念を押す初に「わかっております」と答える富沢。この時「クソッ!」と思ったに違いない。
名優です
話は娘(山本富士子)の縁談の話が続く。
話の途中でトイレに立つ初。
ふと戻って、逆さにしてあるほうきを直す。富沢の仕業である。ほうきを逆さに立てることは“早く帰れ!”というまじない。ほうきに手拭をかぶせることもあった。
山本富士子と平山の娘役だった有馬稲子。二人の美しいこと。美しいという言葉がぴったりでした。そして、ラストの笠智衆の詩吟と、“彼岸花”は何度も観たくなる名作デアリマス。