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Channel: 花の四日市スワマエ商店街
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こうせつ市場 その五

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岡野繁松先生が「旧四日市を語る 第1集」に、“こうせつ”として書いてみえます。

三滝橋の北詰めから東に農産物販売の朝市があった。二と七の日に開かれるので“にひち”と呼んでいた。大きなバラック建ての中は、お百姓さんの持ってきた作物類が並べられていた。外側にも中に入り切れない人々が売り台をならべていた。俄かづくりの売り台やむしろを敷いて、その上に農作物をならべていた。豆腐屋のあたりから東の川沿いには家はなく、大きな松が根をむき出しにして、慈善橋まで何本も生えていた。売る人はこの松の下まで来て売っていた。団子やみたらしなども売っていた。また香具師もいて口上を述べていたりもしていた。三瀧橋の側で“覗きカラクリ”が掛かったこともある。

この“こうせつ”は昭和7年9月から始まった。昭和8年8月から慈善橋南詰から西方面にも“こうせつ”が出来、こちらも北側と同じように賑わった。こちらは五七(ごひち)の市と呼ばれていた。 のぞきからくりの有名な演題 『幽霊の継子(ままこ)いじめ』『八百八お七』忠臣蔵の『萱野三平(かやのさんぺい)物語』『空海物語』などが有名である。『地獄極楽』の口上の一部に“娑婆から落ちてくる亡者めが、閻魔の前で手をついて、お通しくだされ閻魔さん、頼めど閻魔は聞き入れず、泥棒をした人は両張鏡に照らされて、地獄の向かいは火の車・・・”とある。“イラストで見る 昭和の消えた仕事図鑑”角川ソフィア文庫より

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