「ありゃりゃ!」峠の途中でひろ助は驚きました。まるで坂道を転がり落ちてきたように、大きな石が道の真ん中に座り込んでいます。石には“南無阿弥陀仏”の字が彫られていました。親子連れの旅人もこの石を見てびっくり仰天です。
歌川広重“東海道五十三次 日坂”
ここは、静岡は掛川の日坂宿と金谷宿の間にある小夜(さよ)の中山峠。夜でも暗い急な坂道の難所です。
その昔、久延寺に安産祈願にきた妊婦が山賊に襲われ殺されてしまいました。死に際に母親は、お腹の赤ん坊を助けるため、かたわらの石にのり移って泣いたということです。悲しいお話ですね。
泣き声に気づいた久遠寺のお坊さんに拾われた赤ん坊は、お乳の代わりに水飴を与えられ、大事に育てられました。そしてその子供は立派に成長し、母の仇を討ったと云われています。
水あめのようです 子育て飴
学芸員・栄養士:大森久美さん
浮世絵と名物 小夜の中山の伝説で味わう「子育飴」 - ippin(イッピン) (gnavi.co.jp)
よしもとアンダーポイントの本美 大さんから、第二作が届きました。ありがとうございました。ここにも四日市の廻船問屋 稲葉家の九番番頭“ひろ助”が登場しております。
ひろ助曰く「なんじゃこりゃ」旅の親子も驚きです。