澤宮 優・文 平野恵理子・イラスト『昭和の消えた仕事図鑑』角川ソフィア文庫より
お祭りを盛り上げた“大ジメ師”をご覧になったことがありますか?
香具師(やし)、いわゆる大道商人のことである。香具師にもいろんな種類があって、物を並べて売るのを「三寸(さんずん)」、たたき売りのように口上を並べて売るのを「コロビ」と言う。中でも一番花形でありエース格なのは「大ジメ師」である。「シメ」とは客を集めるという意味で、人を集めて啖呵売りや大道芸を行う。
昭和初期まで、正月になると全国の大ジメ師が集まるコンクールが開かれ芸を競い、そこで金が取るようになると一人前として認められた。
如何に啖呵で客の購買心をあおり、如何に興味を引くか工夫をこらす大ジメ師と、値切る客との駆け引きは縁日の見どころであった。主に大ジメ師が売る商品は、リツ(法律書)、キンケン(統計表)、カリス(まじないの本)、ノウドク(処方、薬草の表)、ミンサイ(催眠術)、バンソロ(算盤熟練方)などである。彼らは天才的な漫談化でもあり、客を笑わせ、泣かせ、感心させ、その日に新聞記事まで向上の材料にして、決してその場から去らせることをしなかったそうです。
諏訪劇場の前にて 辻俊文氏撮影
四日市祭りになると諏訪神社の境内で啖呵売があった。面白くて時間の経つのを忘れて楽しんだ。販売商品は、軟膏が多かったが、時に万年筆もあった。当時万年筆は高級だったが、カバンの中から二束三文のように、束にして掻き出していたことを覚えている。町の子供は、決して買い求めることをしなかった。・・・と思う。
キックトックが楽しい。第4作のシナリオが出来たので参加者に配っている。皆さん喜んで出演していただけるのがうれしい。楽しんで作ることが、街の元気につながる…と思う。
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