Tさん、今回も力の入った感想をありがとうございました。
今回も原節子の魅力全開作品(それも喜劇)の上映、ありがとうございました。
一連の小津作品主演の彼女を見てきて、ずっと関心を持っていましたが、図書館で面白い文庫本を見つけ、丁度読み終えたところでした。「原 節子―あるがままに生きて」という本で、2010年出版、著者は貴田 庄(1947生)という映画評論家で、小津安二郎に関する本も何冊か書いています。
この「原 節子・・・」の中で「お嬢さん乾杯」について書かれた文を少し紹介します。
☆ 月刊誌「映画ファン」1949年10月号での原 節子のコメントに
「“お嬢さん乾杯”で、「惚れております」というシナリオにない台詞を突然木下監督に言わされました。恥ずかしくて、本当に困ってしまいました。皆さん、私が困っているとゲラゲラ笑って・・・・」
シャイな原が「惚れております」と告白する木下の演出は見事に決まっていて、喜劇を好きだという彼の本領を発揮したラストシーンとなった。
原 節子は15歳でデビュー。42歳で引退するまでに100本強の映画に出たのだそうです。彼女は、歌、踊り、楽器演奏、どれも出来ず「大根」と揶揄されたこともあった様ですが、それでも、いえ、それだけにあの美しい表情と佇まいだけですべてを語りつくした・・・一言の台詞も発せず、20秒にも及ぶクローズアップに耐えられる女優・・・原 節子。かつて彼女の大ファンであった丹羽文雄が彼女の為に書き下ろした「東京の女性」は彼女の主演で1939年に封切られています。
最後にこの「お嬢さん乾杯」で面白かった処を二つあげます。
佐田啓二が弾くギター。左手の指が全く動いていなかった。
泰子の祖母の正直な言動の数々。今ならさしずめ樹木希林あたりが演ずる役柄でしょうか。なかなかの名演技だったと思いました。木下監督の喜劇 万歳!です。
ありがとうございました。祖母様。ひやひやするほど云いたい放題でゴザイマシタ。
Mさんは、いつものように会場で書いたただきました。
有難うございました。木下作品の名作ですが、私は今回初めて観させていただきました。大好きな原 節子の美しさに見とれました。自分を省みて?昔は俺も若かった。当時は早く幸せになりたいナーと、いつも願望を抱いていた思いを今夜の画面から呼び起され懐かしさで一杯でした。生きてきた歓びを与えてくださって感激満杯です。有難うございました。ハッピーエンドに乾杯!
Mさんはいつも感動の感想を書いていただきます。Mさんの感想を読ませていただく度に映画会を開かせていただいてよかったと、感無量です。
某Mさんからも感想をいただきました。
流石に木下作品、大いに笑わせ、コミカルの中に男女の情感がここち良く描かれている。そして最後には少し泣かされて・・・戦後間もない時代にこんないい映画が製作されていたのかと、感心しきり。
公開当時は昭和24年。終戦から4年しか経っていません。当時の風俗や風景が、とても興味深く鑑賞させていただきました。