平成24年度 文化の駅サテライトステーション事業「昭和キネマの集い」最終回に大勢の皆様がご参加いただきました。ありがとうございました。盛会のうちに終えますことを心より御礼申し上げます。
今回の上映は、中国映画「山の郵便配達」1999年、フォ・ジェンチー監督作品です。この作品は岩波ホール歴代興収ベスト2に選ばれた作品です。ちなみに1位は「宗家の三姉妹」1998年で3位は「八月の鯨」1988年でした。
次年度のサテライトステーション事業は未定ですが、実施の承認が得られる期待を込めて、皆様から希望作品をお聞きすることといたしました。
早速Tさんから感想をいただきました。
最終回の「山の郵便配達」まで、名作を次々と観せて下さって、ありがとうございました。お陰様で全作品を集中して鑑賞出来ました幸せに浸っています。
さて、今回の「山の郵便配達」。製作された1999年は、一人っ子政策が国の隅々ま行き渡った時代だったでしょうか。それから約15年を経て、中国の近代化は凄まじく、今や経済大国のみならず公害大国にまでなりました。
映画の中では、お利口な愛犬を「二男坊」と呼んでいましたが“一人っ子”がもたらす弊害は小さくなく、家庭(村社会)崩壊もすでに珍しい現象ではありません。
映画のロケ地となった山里や村は、今はどうなっているのでしょうか?
子供の数が減少しているのは日本も同じで、都会へ出て行った孫からの便りをひたすら待ち続ける盲目の老婆の心情を思う時、果たして○○年後の自分たちは?とつい考えてしまいました。
効率だけを追い求める社会に、心の平安は望めません。
人間本来のあり方を深く考えさせられた映画でした。
希望の映画次の通りです
「雁の寺」1962年 川島雄三監督
「にっぽん昆虫記」1963年 今村昌平監督
「白い巨塔」1966年 山本薩夫監督
「黒い雨」1989年 今村昌平監督
他の皆様からの希望作品
「ああ野麦峠」山本薩夫監督 1979年・「喜びも悲しみも幾年月」木下恵介監督 1957年