「男はつらいよ」シリーズの中でも、第6作目の純情編は素晴らしい。
森重久弥、若尾文子、宮本信子と豪華キャストが揃っていて、寅次郎の故郷を思う気持ちが色濃く出た秀作です。
ラスト。柴又の駅を去る寅次郎を見送るさくら。このシーンには忘れがたい感動を受けました。
さくら 「お兄ちゃん、またどっかに行っちゃうのね」
寅 「さくら・・・・・覚えているかい、この駅でよ。
オレが16の時に親父と喧嘩して家出したら
さくら 「そうね・・・確かにね
なんだかお兄ちゃんと
別れるのが辛くて
どこまでも追っかけてったんじゃない、私」
寅 「そうよ、追っ払っても、追っ払ってもよ
え、お前泣きべそかいて よちよち くっついてくるんだろう
オレ困っちゃったよ。
さくら 「ねぇ、お兄ちゃん、もうお正月も近いんだしさ
せめてお正月までいたっていいじゃない
寅 「そうもいかねぇよ、オレたちの稼業はよ
冷てぇ風に吹かれて物を売らなきゃならねえ稼業なんだよ
皆によろしくな。博と仲良くやるんだぞ
じゃあな さくら
※電車に乗る寅
さくら 「あのね お兄ちゃん 辛いことがあったら
いつでも帰っておいでね
寅 「そのことだけどよ
そんな考えだから オレはいつまで一人前に・・・・・・
故郷(こきょう)ってやつはよ!
さくら 「うん
※閉まる扉
寅 「故郷(こきょう)ってやつはよ!
さくら 「なに!
えっ!なに? なんて云ったの!?