重厚で叙情あふれるカンフー映画が出た。特に水しぶきを上げての戦いは美しい。
ワイヤーを使った大袈裟な格闘は、嘘と分かっていてダンスを見ているようだ。
20世紀始め、カンフーの事務所というか交流の場は、妓楼にあったということだ。お江戸吉原が社交場だったようなものか。豪華で胡散臭そうな雰囲気がよく出ている。
贅沢をいえば、この辺りもう少しエロっぽさが欲しかった。
グランドマスターを巡って激しい戦いから数年後、引退を控えたチャン・ツィイは、妻子のあるトニー・レオンに愛を告白する。
「人生悔いのないのがいいっていうけれど
私はそうは思わない
悔いのない人生なんて
味気ない」