Mさんからも感想が届きました。ありがとうございました。
「有難うございました。本作も実に重厚なる名作でした。余韻延々。鑑賞の夜は床に入っても、場面の数々が次々と浮かび、民子と政夫の心の葛藤が思いから離れませんでした。伊藤左千夫の原作は明治39年とか、物語は明治中期。当時の日本国内の風潮は世間体がうるさく、何をするにも周囲の動向を重んじるという、現在では考えられない時代でした。
この物語の最後の場面で、民子の心に反した身内からの文句を言わせぬ押しつけの婚約に「ハイッ!」と民子がいう瞬間の心境、クライマックスでした。私は自分の出来事のような思いに、胸が熱くなりました。感動、感動。有難うございました」
Kさんからの感想です。
「今回の映画は、二人の女優がメインだと感じました。
主演:杉村春子 助演:浦辺粂子 この二人が全体の場面、シーンを引っ張っていた映画ではないかと思います。
申し訳ないですが、他の方々は、それほど存在感が無かった様な気がします。笠智衆さんも田村高廣さんも、本の端役に見えてしまう程で、二人が出てきてしまうと、すごい存在感がありました」
ちょうど障子紙にあけた穴から、遠い昔を覗いているような映像でした。そこから見えるお歯黒をした杉村春子も、60歳のお婆ちゃん!民子をかばう浦辺粂子も、古いふるい人のように感じました。モノクロ映画ならではの映画でした。