全国商店街支援センター様のご指導で進められている商人塾。第3回は、神戸の新長田を訪れました。
神戸の西の副都心として栄えてきた新長田地区は、戦災から免れたものの古い木造家屋の多いのが災いして、平成7年1月17日に起きた“阪神・淡路大震災”の際には町の大半が焼失しました。
震災から早くも5か月後、ほぼ全壊という状況から3,500坪の土地に“復興げんき村パラール”がオープン、プレハブとテント張りを併設した施設に99のお店とダイエーが営業を開始しました。
大正筋商店街
地下1階三層建ての街
地下の食品街 店舗前に椅子が
その後、長田地区の復興は着実に進められ、2006年、漫画家の横山光輝さんの生家があったことからヒントを得た“神戸鉄人プロジェクト”が発足しました。この年、若松公園の鉄人広場に巨大な鉄人28号モニュメントを完成させたのを皮切りに、2011年には“KOBE三国志ミュージアム”がオープン、横山光輝の2作品をコンセプトに様々なイベントを展開してみえます。
鉄人28号特別展・三国志特別展・神戸鉄人カレー発売・三国志祭り・三国志伽哩発売・三国志スタンプラリー・三国志なりきり看板設置・KOBE鉄人三国志ギャラリーOPEN・鉄人ビヤガーデン開催・神戸ぽっぷカルチャーフェスティバル開催・新三国志通貨発行
事務局長の岡田誠司氏
鉄人プロジェクト事務局長 岡田誠司さんにお話を伺いました。
「鉄人の巨大モニュメントを造る資金調達に苦労しました。当時、出来るかどうか分からない物にお金を出してくれる人はいなかったからです。そこで、街中のあらゆるところに飲料の自動販売機を設置してその権利を前借りし、助成金を足して資金に充てました。
資金集めとなった自販機
著作権も大変でした。一つ一つに著作権が発生し、調査と申請が必要でした。鉄人のモニュメントを見て、うちでもガンダムやザクを造りたいと相談がありましたが、ほとんど頓挫しているのではないかと思われます。鉄人は、横山さんの承認を得やすく、三国志は著作権切れの為、事業を進めることが比較的容易だったからです。
巨大なモニュメント
事業のテーマは一過性のものにしてはならない、ということを考え続けてきました。鉄人が横山さんのメモリアルになってはすぐ飽きられてしまいます。ディズニーが進化し続けているのは、ウォルト・ディズニーが死去した後でも、ディズニー社という組織がそれを引き継いでいるからです。三国志は江戸時代、彫師と刷り師による印刷技術の発達で多くの人が楽しめるようになり、近年では 吉川英治の小説や横山光輝の漫画によって引き継がれてきました。そして、今やゲームの世界で受け入れられています。
我々鉄人プロジェクトは、イベントによって人を集め、全国や海外に新長田を発信することで注目を集めるようにしており、その効果は居住者の増加という形でも表れています。
イベントイコール個店の売り上げではなく、売り上げは個々に考え工夫するものだと思っています」
視察団の皆様
四日市も、市民に愛されるコンセプトを掲げ、絶えず進化発展する工夫が問われてオリマス。そしてそのプロジェクトは、直接個店の販売売り上げに結びつかなくても良い。個店の売り上げは、個々に創意工夫すればいいのです。(岡田誠司様、多少の書き違いはお許し下さい)