“商工春秋”10月号が届きました。巻頭を飾るのは“東海道53次 四日市”です
葛飾北斎による「絵本駅路鈴(えほんえきろのすず)」と呼ばれるシリーズの1枚。
道標と鳥居から日永の追分とわかる。小さい鳥居や、すぐ脇に建つ饅頭屋の構造、蛇行する小川など、これまで紹介した2枚の追分とは異なる表現が目立つ。三人の旅人が描かれるが、後ろの二人は同行者ではなさそうだ。伊勢参りの途次、柄杓や傘を差しだして、前に行く男に施しを求めている。立ち止まった男は、どう応えるのか。
霞の赤と鳥居や河岸などの黄、そして灯篭や縁台の緑が映え、色使いの妙も見どころの一つである。 (市立博物館学芸員 田中伸一氏による)
左に蛇行する川は、内部川か?少し南になるが、構図の都合で取り入れたのでしょうか?
前に行く男は、先を急ぐ渡世人「あっしには関わり合いのネエことでござんす」。そして、口にくわた長楊枝が、見えませんねェ。珍しくドラマ性のある一枚です。