昨日の中日新聞に、吉村英夫先生のことが載っていましたので掲載いたします。
著書“伊丹万作とその系譜”には伊丹万作から始まる人脈の広がりが描けていて面白い。日本の映画界は意外に狭い世界だったのだと思います。伊丹万作・志賀直哉・小津安二郎・黒澤明・橋本忍・竹内浩三・野上照代・山田洋次とつながっていく。
あとがきに、こう記してみえます。
日本映画史という視点をはじめて持つことが出来た様に思う。日本映画と映画人を、時代の流れも意識しつつ組み立ててみることを試みた。あちらへ飛びこちらへ戻りしていささか乱調気味であるが、それを承知で、螺旋状に昇っていく叙述をめざした。
先生の談によると、1950年フランス映画“輪舞”を参考に書かれたそうだ。舞台は第一次大戦前のフランス。輪舞の如く廻り連なる恋模様を描いたものだ。
リメイク版が、ロジェ・ヴァディム監督によって1964年作られた。キャストは、アンナ・カリーナ、ジェーン・フォンダ。高校生のとき中間試験が終わったので四日市シネマへ“輪舞”を観に出かけたら、場内は高校生で一杯だった。「こんな映画学生に見せてもええのか!」と大人が叫んでいた記憶があります。
※ まったく別の話ですが、今日、本町の服部次俊さんの告別式だった。享年満57歳。3年前癌を患い、手術をしてよくなったり、再発したりの繰り返しだった。あちこちでケンカを吹っ掛けるやんちゃ坊主だったが、あまりの早い死に、涙する弔問者が多かった。
出棺のとき一人、「つぐちゃーん!」と声をかけた同級生の良太君。日頃はひょうきんな男だが、今日の彼の言動には泣かされました。