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“続 男はつらいよ”ご紹介

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9月23日(金)午後6時より“続 男はつらいよ”を上映いたします。第2作目の寅さんは、怒りっぽくて元気です。松竹を説得した第1作上映は成功、わずか3か月後に第2作を公開しています。

寅さんの恩師・坪内散歩先生を演じる東野英次郎と、その娘役・佐藤オリエは、テレビ版「男はつらいよ」のメインキャスト。役名が冬子から夏子に変更されています。瞼の母が京都のラブホテルの女将だったという皮肉な展開。母・菊を演じたのは芸達者なミヤコ蝶々。感動の再開を期待していた寅さんに、「金の無心か!」と悪態をつきます。そこから苦労を重ねた彼女の半生が垣間見えるのです。前半、寅さんが胃けいれんで入院した病院で、盲腸の手術をしたばかりの患者(財津一郎)が、寅さんの笑い話に苦悶の表情を浮かべるシーンが秀逸。そして散歩先生と寅さんの交流。インテリと寅さんの取り合わせはシリーズの重要なエッセンスとなりますが、その萌芽があります。病床の散歩先生が江戸川の天然うなぎを食べたがり、寅さんが釣り糸を垂れる、後半のエピソードは深い印象を残します。

(封切り=1969年11月15日 上映時間=93分)

 

中学時代の恩師、坪内散歩先生(東野英次郎)を訪ねた寅さん、先生の娘で幼なじみの夏子(佐藤オリエ)に一目ぼれする。その晩、先生と酒を酌み交わし、しみじみ人生を語り合っていたら胃けいれんを起こし入院する。だが、病院を抜け出し、無銭飲食を起こして警察沙汰に。再び旅に出た寅さん。京都で先生と夏子に偶然出会い、寅次郎の母親を探すことになる。

権威を笠に着たり、学があることを鼻にかけたりする人は大嫌いな寅次郎。山崎努演じる医師に向かって「おう?てめえ、さしずめインテリだな」と皮肉る。「さしずめ」は脚本にはなく渥美清のアドリブ。「僕には考えもつかなかった、生き生きとした言葉」と山田監督は言う。

 渥美清は人を笑わせるのが何より好きだった。突然ひらめいたのだろう。こんなアドリブもあった。

「お前と俺とは別な人間なんだぞ。早え話がだ、俺が芋食って、お前の尻からプーと屁が出るか?」

         渥美清 没後20年“寅さんの向こうに”小泉信一監修より

坪内散歩先生と寅との会話から

「あーあー、人生相見ず、ヤヤモスレバ参(シン)ト商ノ如シ。今夕(コンセキ)マタ何ノ夕ベ コノ灯燭ノ光ヲ共ニス。寅、分かるかこの意味が!」

「ダメだよ先生。オレ英語全然ダメよ。」

「バカだな~、これは英語ではない、漢詩だ」

「カンシ・・・」

「人間というのは再会するのは、はなはだ難しいということだ。今夜はなんと素晴らしい夜であることだ。古い友人が訪ねてきたのである。お父さんの友達が来たというので子供たちが質問攻めにする。酒をもってこいと追っ払い。二人は杯を重ねる。

外は雨がしとしとと降っている。二人の話は尽きない。明日になれば君は、また別れを告げて山を越え、私はここに残る。ひとたび別れれば人生は、茫々としてお互いの消息は絶え果てる。

アーアー明日山岳ヲ隔ツ、世事両(セジフタツ)ナガラ茫々。だな」


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