新年の寿ぎを 心よりお喜び申し上げます。四日市市民文化事業の“寅さんからの招待状”もいよいよ後半となりました。本年もごひいきの程よろしくお願い申し上げます。
過去、“寅さんからの招待状”と題して4本の作品を鑑賞してきました。
平成28年9月23日上映会の第2作“続 男はつらいよ”は、昭和44年にフジテレビで放送された“男はつらいよ”そのままに、マドンナである佐藤オリエや恩師の東野英治郎が出演。また寅の生みの親にミヤコ蝶々が加わりテレビ版を超えた楽しい作品になっていました。
10月28日の第8作“寅次郎恋歌”は、松竹がシリーズ化に本腰を入れ、監督がそれに答えるように仕上がった作品でした。博の父親(志村 喬)がりんどうの花をたとえに話す“定着”の大切さ。対して放浪”に憧れるマドンナの池内淳子。“恋歌”は“放浪と定着”という明確なテーマを持った作品でした。
11月25日上映会の第15作“寅次郎相合い傘”は、山田監督、渥美清、浅丘ルリ子、倍賞千恵子がシリーズで絶頂期に達した最高傑作でした。前半は寅とリリーとエリート課長(船越英二)が、北海道の函館 小樽と旅をします。そして後半は、“メロン騒動”から“寅のアリア”そしてリリーとの“相合い傘”、さくらが結婚を説得する場面から“寅次郎の吐露”へと続き、素晴らしい出来でした。
12月16日に上映した第39作“寅次郎物語”は、お馴染みの賢島や二見ガ浦がロケ地となっていました。15作から39作へ飛んだ寅さんには、やんちゃぶりが影を潜め、人生について思考する寅さんになっていました。
渥美清さんが亡くなった平成8年、山田監督は追悼の思いを込めて西田敏行、田中裕子を主演に“虹をつかむ男″を製作しました。
今回の映画会も後半に入ります。“男はつらいよ”以降の山田監督作品である“虹をつかむ男”、小津安二郎監督の“東京物語”(昭和28年封切)を挟んで、山田監督がリメイクした“東京家族”(平成25年封切)。そして“東京家族”に“男はつらいよ”の喜劇を取り入れた“家族はつらいよ”(平成28年封切)と続きます。どうか、これからも上映会にご協力いただきますよう、切にお願い申し上げます。