弥生館
四日市市立博物館資料より
大正10年、南町に実演の「弥生座」が開館。空襲で焼失したが昭和20年「弥生館」として再建。昭和31年3月には、新東宝上映の小劇場「ぼたん劇場」が併設された。その後、改装を迫られ昭和51年8月21日、1カ所の映写室から三館のスクリーンに映写する県下初の集中映写方式を取り入れた。シネコンの先駆けであった。
※ 東宝は、“加山敏郎の若大将シリーズ”“森繁久彌の社長シリーズ”が有名だが、“ゴジラ”に始まる円谷英二監督の特撮ものや、黒澤明の「用心棒」、「椿三十郎」などを観に出かけた。ぼたん劇場で上映の新東宝では嵐勘十郎の「鞍馬天狗」や「天皇と日露戦争」、宇津井健の「スーパジャイアンツ」。大蔵映画になってからか、怪談物の三本立てで、天知 茂の“東海道四谷怪談”。中川信夫?監督の“地獄”を姉と一緒に観に行った時は、恐怖で震え上がった。その後成人向き指定専門の劇場となり、濡れ場シーンになるとパートカラ―になった。総じて暗い映画が多かった。成人向きの映画館へ入るときと出る時には勇気が必要で、何事につけても物事に取り掛かるには勢いというものが必要だということを、このとき学んだ。