“キューポラのある街”は、平成30年1月19日午後6時より、スワセントラルパーキング2階会議室において上映いたします。入場無料ですので是非お出かけください。尚、上映前の5時30分より“諏方駅から近鉄四日市駅へ 辻さんが残した昭和30年代の中心市街地”の続編をお話しさせていただきます。ご期待ください。
早船ちよの小説で、1962年(昭和37年)4月8日に日活系で公開されました。監督は浦山桐郎。上映時間99分。日本映画監督新人賞、キネマ旬報 第2位を受賞しています。
映画の舞台は、埼玉県の川口市。東京のすぐ近くに位置する川口市には小さな鋳物工場がたくさんあり、各工場には鉄を溶かすための溶鉱炉(キューポラ)があり、その煙突が林立していた。関西で云えば西淀川や尼崎のようなところだ。
時代は1962年。朝鮮戦争(1950~53年)に伴う朝鮮特需が終わるとともに、職人の腕に頼っていた町工場は次第にオートメーション化された大工場に取って代わられようとしていた。
中学三年生のジュンの父親 石黒辰五郎(東野英治郎)は腕のいい職人だが、突然首を宣告されることに。これでは強く願っていた高校進学もおぼつかない。貧しい問題の多い環境下、吉永小百合演じるジュンはいつも元気で明るく、あくまで前向き。もちろん、そうは言っても時には落ち込み、危機に瀕することもあるが、そこは担任の野田先生(加藤 武)の協力や若手職人 塚本克己(浜田光夫)の尽力で無事クリア。修学旅行にも行かず悩んだジュンが行き着いた結論は、働きながら学ぶ定時制高校に進むこと。そこに新たな夢と希望を見い出したジュンは、やっと仕事に復帰できた辰五郎や塚本らに見守られながら新しい時代に出発することになる。
この作品は昭和37年当時の世相を色濃く反映している。戦後の貧困、労働争議、うたごえ運動、在日朝鮮人の帰還等なつかしく鑑賞していただけるだろう。しかし、あの頃北朝鮮へ帰還した在日朝鮮人の人たちは、今どんな思いをしているのだろうか?
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<浦山桐郎監督作品>
キューポラのある街(1962年)
非行少女(1963年)モスクワ映画国際賞銀賞
私が棄てた女(1969年)
青春の門(1975年)
青春の門・自立偏(1977年)
龍の子太郎(1979年)
太陽の子 てだのふあ(1980年)
暗室(1983年)
夢千代日記(1985年)
※ 1985年、急性心不全で死去。享年55歳