本町の水谷さんからお預かりした絵ハガキを、よーーーく見直すと、そこにはまた異なった形状のタイムマシンが出現していた。昭和12年の風景である。西を見ると熊澤ビルが望める。東海の飛将軍と呼ばれた“熊沢一衛”は、三重郡河原田村出身で、昭和初期には四日市銀行頭取や伊勢電気鉄道社長など三十数社に及ぶ経営に参画した実業家である。(北野 保氏談)
熊澤氏は、ここに伊勢電鉄本社ビル(通称 熊澤ビル)と、諏訪公園に図書館を建設した。当時は、スクラッチタイル貼りの近代的建物だった。四日市西駅が、本町に向かって北向きに建てられ、最も賑わいをみせていた頃の絵葉書である。