大正11年の“平和記念東京博覧会”。来場者が1100万人と『大賑わい』の評判だった一方、東京日日新聞には『例の福引を無茶苦茶にやり、欲で入場者を釣ろうとする算段、どうせ警視庁御免の富くじ式』とあり、集客目当ての苦肉の策。現金抽選会で数万円を手にする人もいたようだ。
天下の博覧会に泥を塗る卑劣な手と思っていたら、昭和27年開催の“講和記念四日市大博覧会”でも抽選会はやっていた。
『前売り入場券に抽選券を添えたことは、最近多く用いられる商法であって、一般大衆の関心も強く反映しているので今回もその方法を採用して、その購入意欲の高揚を図ったのである』
予算を1500万円計上したが好評につき景品が追いつかず、出店者から寄付を募っている。当選は品物で東京に比べるとおとなしい。
1等 優待乗車証付(近鉄・名鉄・三交)2千株
2等 A賞:北海道温泉空の旅御招待、精米機
B賞:高級電蓄、高級ミシン、冬外套、嫁入道具、脱穀機、茶箪笥
3等 熱海温泉アベック御招待、純毛洋服地、藁切機、焼酎1甕、豚1頭
4等 A賞:定期預金(千円)、醤油5升、噴霧器、ナイロン手提袋
B賞:醤油3升、婦人サンダル、旅行用セット、茶摘鋏、過燐酸石炭
5等 タオル、日本手拭、ほうじ茶、高級石鹸
6等 記念品
急遽、出店者から景品を募った様子が出ている。豚1頭貰ってどうするのだろうか?