さて、野外ステージから右(西方向)に進むと、四日市パノラマがある。ここは直接通りから眺めることができたようだ。
その構想は尤も斬新でしかも着想は奇抜である。正面を船内に模し右側面を巨船の舷側に象り一見岸壁に横付けになった世界船路の船体を想像せしめるものである。正面手摺りを隔てて眼下に繰り展げられた良港のパノラマである。(よく見ると正面奥が港のようだ。工場地帯になっている)新日本の四日市港から特定重要港湾の指定を受けて一躍国際港として檜舞台にデビューした姿を、さらに二十年後(昭和47年になるか)の生気溢るる輝かしい光景を描き出している。市街には大厦高楼が櫛比し(想像はつくがムツカシイ)、臨海地帯に林立する煙突とその大工場化は日本における大工場地帯を想わしめ(四日市公害が問題になる以前であります)、更に巨船が港内に多数その姿を見せている港内の威容は横浜、神戸港を凌ぐの感がある。水平線より空にかけて天井には四日市港の貿易事情を明示している。まことに四日市市民をして緊褌一擲(きんこんいってき・褌を締めて勝負に挑む‥みたいな意味か?)希望の大パノラマである。
側面のパネルには。『四日市港の現状を土台とし、これに規定の都市計画によって生まれる新しいものと、今後十年、二十年のうちに実現したい市民の希望を織り交ぜて、四日市商工会議所が設計企画した“産業都”大四日市の姿です。ここには抱負と現実、現在と将来とがモザイク模様のように入り組んでいることを念頭に入れてご覧ください』とある。
これは永遠の夢であろうか。港を生命とする四日市市市民の愛市の念はよくこれを実現し得ることを約束している。
なかなかの着想デアリマス。