マンガとともに育ってきた我々“団塊の世代”。この、マンガの歴史を“日本の漫画本300年”清水勲・猪俣紀子[著]ミネルヴァ書房から、昭和30年代を主に、取り出してみます。
戦後の漫画の歴史は、
視覚的表現を表現して漫画界に革命をもたらした手塚治虫の登場と、
手塚治虫
昭和30年代頃からの辰巳ヨシヒロらが貸本雑誌で作り上げた青年向けの劇画は、
辰巳ヨシヒロ
戦前までの漫画のイメージを打ち破って、読者層を子供から青年層へ上げました。そして昭和50年代になると、大友克洋は作品に、近未来の崩壊をクールなタッチで描き、世界的ヒットを飛ばしました。
大友克洋
こうして、大人になってもマンガを読みふける文化が出来上がっていきます。
昭和30年代後半に入ると、女性作家による少女マンガが確立します。竹下恵子らは、少女マンガにSFや少年愛、歴史大河を取り入れ少女マンガの価値を高めます。
竹宮恵子
そして、政治や社会風刺を主題とする大人マンガ、風刺画やナンセンスマンガなどは 昭和40年代ころまで人気を博しますが、
谷岡ヤスジ
ストーリー漫画が主流になると、その批判精神はエッセイマンガやイラストに受け継がれました。
それでは、昭和30年から、漫画界の様子をみていくことにしましょう。 つづく