四日市宿での刃傷事件・展開編
仙助と無宿人丈助は話し合いの為、花香をかくまう名古屋の尾張藩 大塩安五郎のところに出向く。大塩側は利兵衛と兵八が立った。交渉の末、花香の残りの年季奉公分が、仙助に支払われたが、仙助は、花香には保証人が居るので最後に挨拶だけ済ませておきたいとだまし、一旦桑名に連れて帰ることとなった。
宮の渡し
利兵衛と兵八ら一行は花香をつれて宮から船で出る。さて、船の中で無宿人 丈助は、桑名に着いたら改めて交換したいと金を押し返し、書付を取り上げてしまった。丈助は強面の顔で迫ったのだろう。本領発揮であります。
さて、桑名の七里の渡しに着くや、仙助は、花香の不承知を理由に引き渡しを断りだした。そこで2回目の交渉が交わされる。交渉は不成立に終わり利兵衛らは空しく帰り、大塩に報告した。大塩は大いに怒り、無宿竹蔵を伴い再び桑名へ行くように命ずる。3回目の交渉中に、竹藏は旅人の格好で仙助の旅籠へ出向き、仙助を脅して花香を名古屋へ連れ戻した。
宮の渡し
これに対して仙助は、浪人岡田泰助の助っ人と共に名古屋へと乗り込むが、(4回目の交渉)大塩本人が出てきて(怒髪天を衝く!)強圧的な態度をとったため、仙助は恐れをなし、残りの奉公分のお金も花香も放り出して逃げ帰ってしまった。
こうして大塩安五郎の元に花香が残ったわけであるが、肝心の太七が居なくなってしまった。そこで、今までかかった桑名への往復賃などを取り戻すため、花香を上方へ売女として売り飛ばすこととした。人身売買である。
ここで気になるのが、花香の気持ちにまったく触れられてないという所である。最初は太七と名古屋へ逃げ出したが、その後は男たちの言うなりに右へ左へとさまよっている。単なる商品としてみられていたのか?悲しい限りである。
そして、いよいよ刃傷沙汰が起きるのである。 つづきます