昭和25年、服部良一の、上方落語「ないもん買い」からヒントを得て作られた“買い物ブギー”は、笠置シズ子で大ヒットした。戦後の商店街の賑わいが伝わってきます。
今日は朝から私のお家は てんやわんやのおおさわぎ
盆と正月一緒に来たよな てんてこ舞いの忙しさ
何が何だかさっぱりわからず
どれがどれやらさっぱりわからず
何もきっかずにとんでは来たけど 何を買うやら何処で買うやら
それがゴッチャになりまして
わてほんまによう言わんわ わてほんまによう言わんわ
(中略)
何はともあれ買物はじめに 魚屋さんへととびこんだ
鯛に平目にかつおにまぐろにブリにサバ
魚は取立とび切り上等買いなはれ
オッサン買うのと違います
刺身にしたらおいしかろうと思うだけ
わてほんまによう言わんわ わてほんまによう言わんわ
とり回 赤貝 たこにいか 海老に穴子にキスにシャコ
ワサビをきかせてお寿司にしたなら
なんぼかおいしかろ なんぼかおいしかろ
お客さんあんたは一体何買いまんねん
そうそうわたしの買物は
魚は魚でもオッサン鮭(さば)の缶詰おまへんか
わてほんまによう言わんわ アホカイナ
丁度隣は八百屋さん
人参 大根にごぼうに蓮根 ポパイのお好きなほうれん草
トマトにキャベツに白菜に
胡瓜にしろうりぼけなすかぼちゃに
東京ネギネギ ブギウギ
ボタンとリボンとポンカンと
マッチにサイダーにタバコに仁丹
ヤヤコシ ヤヤコシ ヤヤコシ ヤヤコシ
アアヤヤコシ(後略)