旧暦?“昭和の消えた仕事図鑑”を見ていたら“おばけ暦売り”というのがあった。
昭和の消えた仕事図鑑 角川ソフィア文庫より
明治5年、それまで使われていた旧暦(太陰暦)が、西洋に合わせた太陽暦(グレゴリオ暦)に変わった。このため明治5年12月2日が明治6年1月1日になった。12月に入って“ヤァ師走!”と思いきや、突然 お正月が来たのであります。新暦の暦は、内務省に委託された伊勢神宮の「神宮司庁」が“神宮歴”として発行、正式な暦ですから他の発行はダメですよ!ということになった。
令和6年版 高島暦より ええこと書いてあるやん
ところが、旧暦には大安・農作業の時期・祭り・年中行事など生活に密着した情報が掲載されていて 巷は混乱した。そこで闇暦が秘かに販売されることとなったのであります。“おばけ暦”の登場である。自分が記憶にあるのに、尺貫法が廃止された時、いかがわしいオッサンが店に入ってきて、親父に尺で測れる巻き尺を何本か売りつけて行った。政府も庶民のことを考えて“押し付ける”のではなく融通を利かすべきだと思う。こうして発行所も明確でない旧暦暦が、非合法で戦前まで販売されていたのだ。値段は昭和12年頃で20銭。電車賃ぐらいだったから、良心的な商売だったかな?(紙質は悪かったと想像する)