昭和33年から34年にかけて映画から沸き起こった西部劇ブームは、ようやく普及を始めたテレビジョンにも波及した。昭和33年9月から始まった『モーガン警部』(日本テレビ)。これは、まだ家にテレビは来てなかったので記憶にない。そして『スパイ大作戦』。声優は若山弦蔵だ。34年にはマスクをつけた『ローンレンジャー』。またがる愛馬はシルバー!そして昭和36年になると西部劇はピークを迎える。
昭和36年時点で放送されていたテレビ西部劇は
ボナンザ(カートライト兄弟)・ブロンコ・アウトロー・ローンレンジャー・西部の対決・ライフルマン・サーカス西部を行く・ガンスモーク・マーベリック・レストレスガン・ララミー牧場・胸に輝く銀の星・誇り高き男たち・西部の男バラディン・保安官ワイアットアープ・スミスという男・ウエスターン特急・拳銃無宿・ローハイド・怪傑ゾロ・幌馬車隊・ブロークンアロー とほぼ毎日西部劇がテレビの画面を賑わしていた。
参考までにこの年公開された西部劇映画は
シマロン・アラスカ魂・ダッジシティ・燃える平原児・セブンセントの決闘・荒野の七人・馬上の二人・四人の無頼漢・あばずれ西部魂・戦いの太鼓・片目のジャック・ララミー砦・賞金を追う男・テキサスレンジャー・荒野の待ち伏せ・拳銃でいこうぜ・ガンファイター・早打ち無宿・赤い谷・独立騎兵隊・絞首台の決闘・あらくれ五人拳銃・コマンチェロ
『拳銃無宿』の主人公スティーブ・マックィーン演じるジョッシュ・ランダルは、ウィンチェスター銃の銃身を短く切り、ハンドル部分を大きくしたカスタム銃を愛用していた。『ライフルマン』ではチャック・コナーズが、銃身の長いライフルを、ハンドガンのように片手でクルッと回転させた。真似できるものだはなかったが。
そして昭和40年近くになってデリンジャー銃というものを知った。手に入る小さな銃で、近距離でしか使えないが二発撃てる代物だった。早速プラモデルを買い求めた記憶がある。
やがて西部劇も形を変えていく。『ダンスウイルウルブス』では一方的に悪だったインディアンもそうではなくなり、OK牧場で決闘したワイアットワープも家族共々警察に追われる立場となっていった(ケビン・コスナーの映画『ワイアット・アープ』)。