忘却とは忘れ去ることなり。忘れ得ずして忘却を誓う心の悲しさよ」のナレーションで始まるラジオ番組“君の名は”がお茶の間に流れたのは昭和27年〜29年のこと。空襲の数寄屋橋で出会った氏家真知子と後宮春樹は、再び会うことを約束しながらすれ違いの人生。番組が始まると銭湯の女湯から人が消えるといわれたほどでした。※今回の上映は以前お風呂屋さんを経営してみえた方からのリクエストです。
そして“君の名は”は岸恵子と佐田啓二で昭和28年〜29年にかけて映画化される。第7回の松竹キネマへの誘いでは、全3部作6時間を超える作品であるため短縮した総集編(4時間弱)を前篇と後編に分けて上映させていただきます。おかげで、突然数寄屋橋の再会シーンになったりして不自然なところもありました。
この作品も風光明媚なロケ地が選ばれていて、終戦から間もない時代を覗くことができます。北海道美幌町・弟子屈町、三重県志摩市(大王町・志摩町)、長崎県雲仙温泉、新潟県佐渡市等。
このポスターを見たTさん曰く「この時、岸恵子は何歳だったのだろう。二十歳そこそこに違いないが、此処まで自然な老け役をこなすことができたのは、大女優というしかない」と感心してみえました。是非ご覧ください。