2月21日午後5時より黒澤明監督の「白痴」を上映させていただきました。上映前には43名の皆様がお越しいただいておりましたが、その後、数名増えていたようです。寒い中お越しいただき、ありがとうございました
早速、IさんからFaxでの感想を頂戴いたしました。ありがとうございました。
「約56年前にこの映画を観て、サッパリ理解できず、居眠りをしていた記憶があります。多分、黒澤とドストエフスキーの組合せに関心あり、それだけの理由ですが、今回この映画が地元で再び観られるとは。どういう映画だったのだろうという関心で来ましたが、途中、退屈、終わりまで観てやっと分かった?感じです。
帰ってから佐藤忠男氏の今回のチラシ文を読み直し、何とか理解しました。森雅之、久我美子って案外の演技派なのですね。原節子はトマドイ演技で気の毒。昭和26年にこんな映画が作れたなんて、黒澤さんは恵まれた一生です。黒澤作品の中でも特異な一作が観れ、もう観ることもないと思っていた作品が最後まで観られて、どういうストーリーか今回やっと納得できました。次回の深作欣二監督の“蒲田行進曲”は楽しみです」
Tさん、今回も力作をありがとうございました。
「この作品には、前年のヴェネッィア国際映画祭グランプリを受賞した「羅生門」に引き続き出演した黒澤組の面々(森・三船・志村・千秋等)に加え女優陣も原節子・久我美子・東山千栄子を起用。この豪華キャストと監督の並々ならぬ職人魂を投入したにも拘わらずヒットしなかった理由は何なのでしょうか?
恥ずかしながら、私は65歳の今日までドストエフスキー等ロシア文豪の小説を読み通したことがありませんので、図書館で小説のダイジェスト版と黒澤の映画製作にまつわるエピソードを読んでみました。
⦅黒澤は世界中から映画化は不可能と言われていた「白痴」に40歳で挑戦。練りに練った脚本で完成した映画は、ラッシュでは6時間にも及び、これでは興業不可と判断した松竹にどんどん削られて、評論家にさえ理解不能と酷評され、惨憺たる結果に終わった。
ドストエフスキーはこの小説で「この世の中で最も純真無垢な魂を持つ人間(すなわち白痴)を描きたかったとのことだが、全く異なる宗教観(ロシア正教と仏教)を持つ日本人に映画という手段で、その世界を理解させようとする試みはやはり無謀であったのかもしれない。これがもし“演劇”である場面だけ焦点を絞っての表現だったらあるいは成功していたかもしれない。最後におまけの話・・・ヒロインの命名について ナスターシァ→那須妙子⦆
結局、私などには理解し難い作品でしたが、俳優陣は雪の中を延々歩かされたり、長台詞を一気に喋らされたり、撮影中は随分大変なことだったろうと思いました。
キャストの中に東畑VIP:岸恵子とありましたが、当時18歳の彼女がパーティの女客の一人として(台詞なしで)登場していたのでしょうか。見逃してしまったようで残念です。
黒澤は美術にも大変才能があって絵も相当上手い様です。この作品のセットにも彼のセンスが生かされていたように感じました。(雪の祭典や、風変わりな部屋、妙子の始終一貫した黒ずくめの衣装等)。
Tさん、岸恵子の画像を見つけました。1951年松竹入社初めての映像です。大船撮影所を見学するうちに、吉村公三郎監督にスカウトされ、大学入学までということで「我が家は楽し」に出演。それ以前の映像です。