18日の中日新聞より
人が人であるのは「ほんとうの道」を求めるからだ。これが宮沢賢治の結論でした。「ほんとうの道」とはいったい何か?
対価を求めない「布施」の心を、仏教では強調しています。それは、世界の一切が複雑極まりない関係の中にあり、すべては相互に依存しながら存在している、という事実を教えるためなのです。社会を大きな網に例えると、自分は一つの結び目でしかない。互いに網目の関係であることが自然な生き方である。自分のためではなく「人のために」生きることが本当の生き方になる。
そして、「布施」は自分がどんな人間かが分かる点にある。エゴに固まった私たちがいざ「布施」を行おうとすると、途端にケチになります。自分の器量を知るいちばんの近道が「布施」なのです。「布施」は自分を知るためにおこなう。だから、施しを受けてくれる相手に感謝する。
そして、阿満 利麿氏はこう書いてみえました。