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“第三の男”上映会

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11月27日(金)午後6時より、52名の方にお集まりいただき“第三の男”の鑑賞会を開かせていただきました。数日前からすっかり冬の気候となり、寒い中お集まりいただいた皆様には感謝でございました。

早速、感想をTさんから頂戴いたしました。毎回投稿いただき有難うございます。

映画評論家の淀川長治氏が絶賛して止まなかった「第三の男」。その感想文。私には荷が重すぎましたが・・・

全編にチターの演奏(アントン・カラス)が流れていたのが強烈なインパクトでした。曲の一部は今なお名曲として親しまれていますね。

さて、この映画のテーマは一体何でしょう?友情とは?正義とは?

9年振りに再会した親友同士の二人の男。観覧車の中で意見を戦わせ、更に別れ際に「一般民衆にとって、悪政に泣かされ続けたイタリアには大天才ミケランジェロが現れ、片や平和に統治されて来たオーストリアには平凡な人間しか存在しない。」といった意味のハリーの言葉が耳に残った。

最初は友情を重んじて、親友逮捕工作には加担しないと言い切っていたマーティンであったが、案内された病院で目にした現実・・・闇取引で使用された水増しペニシリンを投与された沢山の子供たちが重篤(障害者となったり、死亡したり)な被害を受けていた。そして、山積みにうち捨てられたぬいぐるみの人形達が、彼らの悲しみ苦しみ そして無念さを無言で強く訴えかけていた。

気位の高い猫に慕われているハリーは、本来は心優しい人間であった筈。その親友を撃たざるを得なかったマーティンの心中は?

そんな中で、ヒロインのアンナが始終冷静で(取り乱すことなく)自立している強い女性であったのが対照的で面白かった。

Tさんありがとうございました。

左がクルツ男爵

悪役で異様な感じの男優は誰?とのご質問がありました。

クルツ男爵に扮していたエルンスト・ドイッチュはプラハ出身の舞台俳優で、ナチス台頭後はイギリスに亡命、戦後オーストリアに戻りました。この時映画の出演要請があったのでしょう。立っているだけで悪役という役者いますよね。役作りに達者でないと悪役は出来ません。

※ ハリー・ライムの言葉「イタリアで30年間に渡るテロや虐殺や闘争の結果、ミケランジェロやダヴィンチ、ルネサンスが生まれた。スイスの500年に渡る民主主義の産物は?ハト時計だけさ」

それから、ハリー・ライムが下水道で追い詰められた時、追い駆けてきたホリー・マーチンと目が合いましたよね。「俺を撃ってもいいぞ」と言っているような目が印象的でした。カッコイイ悪役を演じたオーソン・ウェルズ、名優です。


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