四日市諏訪商店街振興組合では、これまで「男はつらいよ 純情編」「浪速の恋の寅次郎」「寅次郎夕焼け小焼け」を鑑賞してきました。(まだ3作しか上映していません)まだまだ良い作品があります。
「寅さんは進化している」落語家の立川志らくさんはNHK出版「男はつらいよ パーフェクトガイド」でこう書いています。
1作目から順に観ていると、その変貌ぶりに驚愕する。最初の頃はかなりアウトローで、ヤクザに近い雰囲気がある。それが第8作「寅次郎恋歌」では、博の父親(志村喬)に人間の生活とはどういうものかを教わり、第10作「寅次郎夢枕」では幼なじみ(八千草薫)に惚れられて、寅の方が逃げる。そして第11作「寅次郎忘れな草」と第15作「寅次郎相合傘」でリリー(浅丘ルリ子)との恋で大人になり、第18作「寅次郎純情詩集」で恋する人(京マチコ)に死なれ、第20作「寅次郎頑張れ!」で若い二人(中村雅俊・大竹しのぶ)の恋の指南役を務め、第26作「寅次郎かもめ歌」では若いマドンナ(伊藤 蘭)に父性愛が芽生えている。そしてその後、満男の恋の応援をするポジションに移行していった。
第40作「寅次郎サラダ記念日」で、「何のために勉強するのか?」という満男の問いに、
「勉強したやつは困ったときにきちんと筋道を立てて考えることが出来る」と答えている。
第39作「寅次郎物語」は、賢島と二見浦がロケ地となっており。マドンナの秋吉久美子との爽やかな出会いあり、母親(五月みどり)を探して子供と旅する涙ありの良い作品となっていて、是非、皆さんと鑑賞したい作品です。
「男はつらいよ 寅次郎物語」(第39作)より
「参考書でも買え」と、柴又駅まで見送りに来た満男に小遣いをやる寅次郎、ふと満男が尋ねる。
満男「おじさん」
寅 「なんだ?」
満男「人間ってさ」
寅 「人間?人間がどうした?」
満男「人間は何のために生きてんのかな」
寅 「何だ、難しいこと聞くな」
寅 「なんて言うかな、ほら、あー生まれてきてよかったなって思うことが何べんかあるじゃない。そのために人間生きてんじゃねえのか」