昭和29年、手塚治虫がトキワ荘を出て寺田ヒロオが入ってくる。「まじめすぎて面白くない」と編集者に指摘されるも「子供達には理想像を示さなければならない」と寺田は主張し続ける。ラスト、トキワ荘を出る決意をして立ち尽くす彼に、草野球のボールが飛んでくる。ボールを受け止め少年に投げ返す。「ありがとうございます!」と立ち去る少年の背中に“背番号0”の文字。感動のラストだ。
右 取材を受ける手塚治虫
寺田はその後、細々と漫画を描き続けるが、亡くなる数年前、みんなを呼んでトキワ荘の同窓会を開く。別れの際、再会を拒否してこれが最後と手を振る。映画に出ていない頑固さがあったようだ。
左から赤塚不二夫と森安なおや
赤塚不二夫(大森嘉之)と森安なおや(古田新太)が良い。スランプの壁に当たる二人。その後、石森章太郎の友情に救われる赤塚と、漫画家からキャバレーの会計に転職する森安。そして、森安と同室だった鈴木伸一は、漫画家をあきらめアニメーションの世界に移り成功している。
石森章太郎と赤塚不二夫
赤塚不二夫とつげ義春は寺田の作品をみる
石森の姉が食事の世話をする
水野英子を送る石森と赤塚
鈴木伸一の部屋へ森安が転がり込む
石森が描いたトキワ荘の面々