今、四日市市市民文化事業支援補助金に応募しています。8月12日に審査がありますが、これを通過すると文化振興課さんから2年間助成を受ける事が出来ます。上映が叶うことを願って、予定作品を選びました。
今回は山田洋次監督で“寅さんからの招待状”がテーマです。
“東京物語”を現代に置き換えた“東京家族”(平成25年)。“東京家族”撮影中に考案された喜劇“家族はつらいよ”(平成28年)。山田監督はこう話しています。
男であり、女であり、人間であることは、難儀で厄介。でも何とか生きていかないといけない。そういう意味で、1969年から始まった寅さんシリーズに『男はつらいよ』というタイトルをつけました。今回、それと全く同じ意味合いで、この『家族はつらいよ』というタイトルをつけました」。
そして家族について、50年にわたって悲喜こもごもを描いてきただけに「厄介で、大変煩わしいもので、なくてもよいと思うこともあるのだけれども、やはり切り捨てられない問題。そのつらさを何とか切り抜けていかねばならない。そのためにドタバタする。そんな滑稽で不完全な人間を、懸命に表現したいと思います。それを見た観客は、“ああ、ダメなのは自分だけじゃないんだな”と安心して笑ってしまう。映画館で、観客と作り手が、笑いを共有していく。そんな喜劇にしたいと思います」 山田洋次
そして“男はつらいよシリーズ”より選りすぐりの4作品。フジテレビ作品が色濃く出た第2作“続 男はつらいよ”(昭和44年)マドンナは佐藤オリエ、その父親は恩師の東野栄治郎。なんと第1作からわずか3か月後の公開でした。博の父(志村喬)が晩年の寂しさを吐露する第8作“寅次郎恋歌”(昭和46年)。池内淳子がマドンナ。
そして、浅岡ルリ子マドンナの傑作第15作“寅次郎相合い傘”(昭和50年)。第11作“寅次郎忘れな草”で出演の浅丘ルリ子を再抜擢。山田監督、渥美清、浅丘ルリ子三人の絶好調時代が生んだ大傑作です。第39作は伊勢志摩ロケの“寅次郎物語”(昭和62年)マドンナは秋吉久美子。子供の母親を探して伊勢志摩へ。賢島や二見が浦でロケがされています。
そして最終回は、西田敏行主演の“虹をつかむ男”(平成8年)です。第48作“寅次郎紅の花”を最後に“男はつらいよシリーズ”は終了しますが、翌年に向けて企画されていた“寅次郎花へんろ”とほぼ同じキャストとロケ地で渥美清への追悼映画として作られたのが“虹をつかむ男”でした。BGMやエンディングも“花へんろ”のものが使用されていて、倍賞千恵子、前田吟、吉岡秀隆の三人はこの映画でも親子役であり、渥美清もCGではありますが、1シーンだけ登場しています。
鑑賞後には爽やかな感動を保障します。今後の上映にご期待ください。