昭和三十二年五月十三日 雨上がりの道を、勤め帰りの二人が通る。諏訪公園南の麻生医院前から三番街に向かって撮られた写真だ。
公園に沿って通りには屋台が並ぶ。北側にも十数軒並んでいたから公園の周辺は飲み屋だらけだった。女手ひとつで生活の糧に始めるのには、屋台は手っ取り早かったのだろう。考えてみると、戦後の街の構成に、飲食の店がかなりウエイトを占めていたように思う。
左公園内に猿の檻が見える。ここの日本猿は時折脱走して、麻酔銃で撃たれては戻されていた。「えさをやるな」と言うのに、みんながえさを与えていた。
西向きにシャッターを切る辻さん。左にハチトリさん
諏訪公園を挟んで南と北側に屋台が並んでいた。北は大正館前にあったが、パズルパーキング建設にあたり撤去された。苦労されたと聞いている。夕刻を迎えて開店準備に余念がない。友達に豚足を食べようと誘われたが、毛がついていると聞いて止めた。