1月27日(金)午後6時より”虹をつかむ男”を上映いたします。
“男はつらいよ”第48作“寅次郎紅の花”が上映されたのは平成8年のお正月でした。続いて山田洋次監督は第49作“寅次郎花へんろ”を企画していたのですがその年の8月2日、車寅次郎こと渥美清こと田所康雄さんは帰らぬ人となりました。“男はつらいよ”シリーズは打ち切りとなったのです。
そこで山田監督は、その年の9月に渥美 清追悼の作品“虹をつかむ男”の製作発表をしました。キャストは“花へんろ”で予定していた西田敏行と田中裕子。さくら役に倍賞千恵子、博役に前田吟、そして満男は吉岡秀隆とそのままです。また、下條正巳、三崎千恵子、佐藤蛾次郎、笹野高史、神戸 浩、永瀬正敏、すまけい、田中邦衛とお馴染みの皆さんも出演、にぎやかな顔ぶれとなっています。
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平成8年12月28日公開。ロケ地は徳島県美馬町脇町。舞台になるオデオン座(脇町劇場)は、取り壊しが予定されていたのですが、この映画で脚光を浴び、町指定文化財となって修復されたそうです。
映画の中でもオデオン座は経営不振で閉鎖寸前。しかし、経営者の白銀活男(西田敏行)は、町のみんなに良い映画を観てもらおうと奮闘しています。作品の中で紹介される映画に、警察日記・トイレの花子さん・ニューシネマパラダイス・鞍馬天狗天狗廻状・野菊のごとき君なりき・かくも長き不在・雨に唄えば・若者たち・禁じられた遊び・東京物語・男はつらいよ第1作と映画好きにはたまらない作品となっています。
製作人みんなで、寅さんへの追悼の思いを込めて作られた“虹をつかむ男”にご期待ください。
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「ええか どんなに素晴らしい映画が出来ても それを映す人間が居なきゃ何にもならん それも ただ写せばええちゅうやないんや 鮮明な画面 クリアな音 快適な座席 これが全部揃うてこそ 初めて作った人の苦心が報われるんや 俺たちの仕事が いかに大事か分かるやろ」
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「イタリアはシシリー島 古い小さな町 かわいい男の子が映写技師に憧れて憧れて とうとう弟子にしてもらうんや フィルムはまだ可燃性の時代です ある日映写室は火事になってしまう 映写技師は危うく命は助かるが目がみえんようになってしもたんや」
作品中紹介される映画作品
警察日記
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1955年(昭和30年)公開の日活映画 監督:久松静児 出演:森繁久彌・伊藤雄之助・三国連太郎・宍戸錠・殿山泰司・沢村貞子
会津磐梯山の小さな町を舞台に、警察官とその町に暮らす人々のエピソードを描く。第29回キネマ旬報ベストテン第6位
ニュー・シネマ・パラダイス
1998年のイタリア映画 監督:ジュゼッペ・トルナトーレ 出演
ローマ在住の映画監督・サルバトーレは、少年時代にあった映写技師アルフレードとの交流を回想する。感傷と郷愁、そして映画への愛情が描かれた作品。
鞍馬天狗 天狗回状
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1952年公開の松竹映画 監督:大曾根辰夫 出演:嵐寛十郎・美空ひばり
幕末の京都、新選組と戦う鞍馬天狗。謎の回状をめぐって角兵獅子の彬作(美空ひばり)と新吉が活躍する。
野菊のごとき君なりき
1955年公開の松竹映画 監督:木下恵介 出演:笠智衆・田村高廣
原作:伊藤佐千夫 キネマ旬報3位
老いて故郷を訪れた政夫は、思いが届くことなく他家へ嫁いで死んだ民子のことを回想する。
かくも長き不在
1961年公開のフランス映画 監督:アンリ・コルピ 出演:アリダ・ヴァリ
日本では1964年に公開されキネマ旬報の外国映画ベストワンに選出された。
パリ郊外でカフェを営むテレーズはある日、店の前を通る浮浪者に目を止める。その男は16年前に行方不明になった彼女の夫アルベールのそっくりであった。テレーズはその男とコンタクトをとるが、男は記憶喪失だった。
雨に唄えば
1953年日本公開 監督:ジーン・ケリー スタンリー・ドーネン
サイレント映画からトーキー映画に変わる時代を描いたコメディ溢れるバックステージ(舞台裏)・ミュージカル。「トップ・ハット」「バンド・ワゴン」「巴里のアメリカ人」と並ぶミュージカル映画の傑作。特にジーン・ケリーが土砂降りの雨の中で、主題歌を歌いながらタップダンスを踊る場面は、映画史に残る名シーン。
禁じられた遊び
ルネ・クレマン監督で1952年に公開されたフランス映画。アカデミー賞名誉賞、ヴェネツィア国際映画祭サン・マルコ金獅子賞などを受賞。ナルシソ・イエペスのギターによるテーマ曲はあまりにも有名。戦火の中、両親を失った少女ポートレットはミシェル少年と知り合い様々な生き物の墓を作る。幼い子供を通して反戦を訴えた名作。
東京物語
1953年公開 小津安二郎監督 笠智衆、東山千恵子、原節子、杉村春子、山村聰出演
1989年キネマ旬報2位、1995年オールタイムベストテン(キネ旬発表)日本映画編第1位、2008年史上最高の外国映画100本(英「エンパイア誌」発表)第16位等多数受賞
男はつらいよ
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山田洋次監督 1969年8月公開 フジテレビ版の結末に抗議が殺到し監督の熱意で映画化となる、以後48作が製作される。マドンナは御前様(笠智衆)の娘である冬子(光本幸子)。さくら(倍賞千恵子)と諏訪博(前田吟)が結ばれるくだりがあり、結婚式に博の父である諏訪飈一郎(志村喬)が、北海大学の教授として挨拶をする。