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Channel: 花の四日市スワマエ商店街
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昭和の食と商店街 その14

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イメージです

小学6年生の頃は、リッチな友人のO君とよく遊んだ。ある日、O君の家でしこたま遊んだあと、おやつをごちそうになる。なんと、薄―くスライスしたトマトに白砂糖が山と盛ってあるではないか。「これなら何とか食べられる」と思った。自分はトマトが大嫌いだった。夏休みになるとトマトにソースをかけておかずとして食べる。「トマトは絶対おかずではない!」というのがトマト嫌いな私の持論だった。

真ん中あたりに川市さんがあると思う

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現在の“諏訪栄町珈琲”の処に“川市さん”があった。お肉屋さんだが店の中でコロッケを揚げている(今でも北町のお店で揚げたてを販売されている)。野菜コロッケ5円、肉入り10円だ。リッチなO君は肉入りコロッケをおやつに買おうと誘う。「コロッケと云うものは、おかずにするものだ!」というのが私の持論だったが、誘惑に負けてお付き合いした。なるほど、ジャガイモの間から時々肉のかけらが顔を出す。歩きながら食べるのはお行儀が悪いので、諏訪公園で座って食べた。

イメージです 実際はもっと盛が少なかった

当時、お誕生会が流行の兆しを見せていた。S君は、O君の向こうを張って「今度、お誕生会をするから家に来い!」とお誘いをいただいた。もう一人友達を誘い三人で出かける。S君の家は商人宿だった。ガランとした家に長い縁があったのを覚えている。前の空き地でキャッチボールをした後、その縁に並んで腰をかけた。S君のお母さんが、やおらお皿を運んでくる。覗くと、ちらし寿司だった。三つのお皿は三人の前に並べられる。そして、向かいにS君とお母さんが正座して、私達が食べるのを黙ってみていた。来てよかったのかどうか、気まずい雰囲気のまま、お辞儀をして帰った。

今思うとSくんの家では、友達を軽く扱っておいてお父さんが帰ってから、一家でごちそうを食べたのかもしれない。


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