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Channel: 花の四日市スワマエ商店街
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昭和の食と商店街 その21

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公設市場の場所

お袋にくっついて市場に出かけた。食べるものは、市場で求めることが多かった。場所は現在の市役所の北側(線路沿いだったと思う)、道を隔てて2カ所に分かれており(当初、東側だけだったのが、後に道を挟んだ西側にも増設されたと記憶している)、迷子になるくらいの広さと賑わいを見せていた。大人たちは“こうせつ”(公設市場)と云っていた。開催日にあわせて一六三八市(現在も同じ)とも呼ばれていた。

買い求める物は野菜がほとんどだったが、野菜、果物、漬物、時雨煮、魚、貝類、穀物類、花々と様々な店が並んでいた。手を引かれ人ごみの中を進んで行くと、目的地にたどり着く。そこでお袋は店の人とひとしきり世間話をした。「おマケね!」という言葉が飛び交っていたのは、お馴染みさんへのお愛想だろう。付いていったのは多分荷物持ちの役目があったからだと思う。夏は黄色や白の瓜やスイカを求め、持って帰って水に浮かして冷やした。昨今、瓜はあまり見かけなくなったが、皮をむいて割り、種を取り出したものに塩をかけて食べた。塩をたくさんかけるほど甘くなると信じていた。

季節に応じた果物を楽しんだ。お正月にはこたつの上にミカンを山と積み、手が黄色くなるほど食べる。リンゴは皮のまま丸ごとかじった。種が出てくるギリギリまでかじった。夏ミカンは、飛び上がるほど酸っぱいので炭酸をかけたが、馴染めなかったので砂糖に切り替えた。法事に貰った和三盆の固まりをくずしてかけた。

親戚の裏手にイチジクの木があり取って食べる。折れやすい木だから注意して登った。秋になると柿や梨が出回った。お祭りと梨はセットになって記憶されている。ぶどうは小粒で種が詰まっていた。果物から季節を感じた。


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