木下惠介監督の“楢山節考”は昭和33年6月に公開。その年のキネマ旬報ベストテンでは第1位と田中絹代が主演女優賞を獲得しています。作品はオールセットで撮影され、全編を通じて邦楽を流し、幕開きに定式幕を使うなどして歌舞伎の様式美的な雰囲気の演出に仕上がっています。 まず、黒子の口上で始まります。「東西、東西、このところ御覧に入れますルは本朝姥捨ての伝説より、楢山節考、楢山節考・・・」歌舞伎の定式幕が開き、場面転換では振落し(背景が描かれている書き割りの布を瞬時で落として次の場面に移る)や、引道具(建物などの大道具の下に車輪を付け、前後左右に移動させる装置)などといった歌舞伎の舞台の早替わりの手法が使われ、長唄や浄瑠璃などの音楽を全編にわたって使い、歌舞伎の様式美を地理入れた作品に仕上がっています。主演の田中絹代は、歯を折る場面のために自らの前歯を何本か抜いて演技をし、高橋貞二も15キロ減量して撮影に臨んでいます。
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2月16日金曜日午後6時より スワセントラルパーキング2階会議室で上映いたします。入場無料。ぜひご参加ください。