昭和26年9月8日、サンフランシスコにおいてアメリカをはじめとする連合国と日本の間で講和条約が締結、戦争状態が終わりを告げた。こうして立ち直りの希望が見えてきた昭和27年に開催されたのが“講和記念大博覧会”だった。
野外ステージ裏は橋本病院?
正門を入って平和の女神像の左奥に地球儀の形をした建物があった。これが“講和記念館”である。各館に比べて規模は小さく僅かに40坪であったが、地球型の円形ドウムは、大地球が回転している様であり、正面に高さ30尺の国連を紹介する壁門は、平和を表象すると共に国民再生を感銘するに足る構想であった。
入口
一歩館内に入ると上空には国連旗が上がり、左右には講和条約に関するパノラマを配し、平和の使いである白鳩数十羽が飛び交っていた(糞はかからなかったのか?)。また、丸い壁面に沿って、太平洋戦争の終末よりミズリー号艦上における停戦調停の写真や講和条約締結までの詳細が展示されていた。
講和記念館内部
更に、我が国の貿易の将来性についての分析結果も表示されて、再建日本の国民に与える良い資料でもあった。(その内容は、国民所得から工業生産力、食糧事情や千島・樺太・台湾の帰属問題まで及んでいた)