C59187は、瀬戸内沿いに走る。一昔前には、こんなものが全国を走り回っていたと思うと、感無量である。
朕が 学生時代を終えて、上松へSLをカメラに収めようと出かけたことがある。早朝、トンネル出口に向かってカメラを構えていると、なんと出てきたのはディーゼル機関車。思わず 機関手と目が合う。体裁が悪いのでせっせとカメラのシャッターをきった。
小郡で東京から乗り込んだ組と分かれる。張り込む場所が違うためだ。
映画「張込み」の主人公 大木 実は、白井佳夫と私(西村雄一郎)との対談を「松本清張研究」で書いている。
白井「特に清張さんが褒めていたのは、三等車に若い刑事とベテラン刑事が二人載っていく冒頭の部分。
大木「列車が動いているのに、横浜駅で飛び乗るんですよ。あれはぶっつけ本番。NGが出たら次の大船で下車してまた明日・・・どうやらOK。この撮影ぶりには当時の国鉄もさぞびっくりしたでしょうね。その列車に乗って、佐賀に着くまでは全部本物の列車の中での撮影ですよ。
白井「そうすると、全部貸切りだったのですか?
大木「貸切りです
西村「他の人たちはエキストラですか?
大木「ええ
西村「途中の駅で降りるところなどはどうされたのですか。
大木「降りて、またパッと乗るんですよ。当時は停車時間が長く、三分とか五分とか停まっているでしょう。打ち合わせをちゃんとしておいて、カメラを持ってパーッと走っていってね。その日の夜、関門海峡をくぐる。 最終回へ つづく