野村芳太郎監督 1958年松竹映画“張込み”の素晴らしいエンディング!地元の刑事 多々良淳の見送りで宮口精二と大木実の両刑事に挟まれ、犯人役の田村高広は東京へ移送されていく。待合室で切符3枚を求める大木実。
厚紙の切符を棚から シャカッ シャカッと取り出す駅員
当時、午後6時の佐賀駅前広場は、ロケを見ようと黒山の人だかりだった。
「また、やり直すんだぞ!」待合室の売店には、おみやげやおもちゃ、お菓子が売られていました(いまでもあるか)
ラストは、複雑な動きをしたクレーンカットである。(清張映画にかけた男たち 西村雄一郎著より)犯人を移送する刑事二人とそれを見送る佐賀署の刑事が改札を通り、階段を上ろうとする。
階段へ向かう4人
その四人を追ったカメラがそのまま向かいのプラットホームの方へ右にパンすると、長崎発の上り急行「西海」号が姿を見せ、停車する。
SLが入ってきます。シューーーーッ
そのままカメラはゆっくりと後退すると、先ほどまで刑事たちがいた佐賀駅の待合所が写り、駅員が掃除をしている姿が見える。その映像の上に、スタッフ、キャストのクレジット、下から上に流れる・・・。
停車して、カメラは待合室へバックします。
これがワンカットで撮られていました。撮影当時は駅舎ごと借り切りとなり、リハーサルでは汽車の停める位置がうまくいかず、再度、やり直したそうです。昭和30年代、最盛期の映画の力はすごかった。
スタッフとキャストの字幕が流れます 終