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“ローマの休日”感想

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早速Tさんより感想をいただきました。ありがとうございました。

 「ローマの休日」は、今回で3度目の鑑賞でしたが、一回目は50年前、高校2年の時で、当時はただ漫然と“逆シンデレラ”のおとぎ話と解釈していました。今回は心して細部迄、きっちり目と耳を駆使した処、実に様々な物が見えて来ました。

 先ずタイトルですが“A Holyday In Rome”ではなく“Roman Holyday”となっていた事です。前者ならば、単なるローマでの休日の意。後者では特別(他の何処でもない)なローマの休日の意。これは終章場面―記者からの質疑応答タイムで、記者(G・ペック)の「何処が一番、印象に残りましたか?」の質問に、王女が「それは・・・ローマ、ローマです」ときっぱり答えたことで、解き明かされました。このたった一日の“アーニャ”の「ローマの休日」が、幼い?アンを王位継承者たるアン王女へと変身させたのです。長い髪を本当にバッサリと切ったアン(A・ヘップバーン)。決意の程が伝わって来ます。

「料理も裁縫も出来るけれど、それを披露する機会はない」「(王は)重篤な病気にでもならない限り、自分勝手に止める事は出来ない・・・」と本音を語るアン。思わず、今上天皇、皇后両陛下のお立場を重ねて見てしまいました。

 それにしてもヘップバーンの何と美しいこと!顔やスタイル、軽やかな身のこなしは言うに及ばず、無言の演技ゆえー抑えた感情がより強く表現されていて胸に迫ってきます。

 そんな素敵なヘップバーンに力強くキスした市場の太っちょ小父さんは実にラッキー!役得でしたね」。

“欧州連盟”という言葉が出てきます。某国の王女アンは、ヨーロッパ諸国親善のためヨーロッパ各地を訪問するのですが、最後の記者会見の席で、統合について質問を受けています。

記者A「連盟によって経済問題が解決するとお考えですか?」

王女「欧州諸国が緊密になるなら賛成です」

記者B「諸国の親善関係の見通しについては?」

王女「国家間の友情を信じます。人と人との間にも友情があるように」

G・ペック「私が社を代表して申し上げます。王女様の信念が裏切られることはないでしょう」

王女「そうお聞きできて、うれしく思います」

記者C「最もお気に召した訪問地は?」

王女「それぞれに良さがあって比較は難しいのですが・・・ローマです」

ヨーロッパ統合の話は、第二次世界大戦の頃から出されていて、ポーランド首相が、ナチスに追われ亡命したベルギー首相に対し欧州統合を提案しています。イギリスの皆さんには、今一度この映画を観ていただきたいものです。


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