9月23日に鑑賞した“続 男はつらいよ”の寅さんはとても元気です。そして、みんなが集まって笑いながら観ることの大切さを痛感しています。
傷心の寅さんに、いっそこの旅館に泊まっていったら?と勧められる。帰るところなどないと見栄をきって二度ひっくり返る寅次郎。リハーサルで佐藤オリエの笑いが止まらないので、本番で“笑う”ことにしたそうです。思わず噴出す佐藤オリエ。散歩先生「笑うんじゃない!」とたしなめます。(予告編ではあまり笑っていません。リハーサルで笑い転げ、予告編で笑いをこらえ、本番で笑うことが許された、と想像できます)
Tさんから感想をいただきました。ありがとうございました。
本作品“続 男はつらいよ”は、後に いわゆる寅さんシリーズとして50本近くが撮られることになったものの第2作目ですか?
役者の皆さんのお若いこと お若いこと・・・渥美清は勿論のこと、青年 山崎努 財津一郎の真っ黒フサフサの髪とツヤツヤ引き締まった顔。倍賞千恵子のまるで日本人形のような美しさに目を見張りました。
昭和44年(戦後もやがて四半世紀を迎えようとしていた)は、高度成長時代に入ったとは言うものの、平成28年の現在から振り返れば、古き良き?時代の文化・風景・風俗・人情等がまだ色濃く残っていましたね。
今回こうやって映画(画面)の中でそれら懐かしいものの数々を見せて貰うと、改めて我々が失ってしまった物への愛着とか郷愁とかを感じずにはおられません。(単に老人の繰り言といえばそれまでですが)
私はこの寅さんシリーズは一つの昭和史として立派な役割を果たして来た様に思います。大学の卒論に選ばれても良いのではないでしょうか。
最後に嬉しい発見がありました。散歩先生の葬儀を終えて、すっかり落胆して二階に引き込んだ寅さんを、さくらが見舞うシーンで、階段の隅に置かれた手あぶり火鉢が一瞬チラと見えましたが、それは墨で描かれた万古焼の火鉢でした。ひよっとしたら、亡き父の手になる物だったかもと・・・(画工でした)
参考まで。そのシーンを掲載させていただきます。